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12 nov. 2007
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9 nov. 2007
8 nov. 2007
Espagne 08/11

チェックアウトをして少し宿に残り、2枚の小さな絵を描いた。
マラガの砂浜の絵と打ち上げられた魚の絵。
あんまりいい出来じゃなかったけど、他になかったので押し付けるように渡して宿を出る。少しは気に入ってくれてたら嬉しいけど、、、。
まだ時間があるので、最後にまた海でゆっくりする。
今日はマラガ滞在中で一番暖かく、海に入っている人、日焼けしてる人がちらほら。
その後、バスに乗り空港へ。
何の滞りもなくチェックインして飛行機はパリへ飛び立つ。
機内で前の列に座っていたおじいさんが咳き込み、具合が悪いのか、なにかを求めてスチュワーデスを呼んだ。
でも言葉が通じないらしく、何をほしがっているのか分からない。すったもんだのあげく、おじいさんの言葉がわかる若者を連れてきて、フランス語、スペイン語へと通訳。
どうやら呼吸が苦しいので、酸素が欲しかったみたいだ。
あいにくないのでどうしようもなく、ここでもスペインおばちゃんが出て来て、横になるといいのよと空いてる席に連れてって寝かしたり。
でも結局元の席に戻って、おじいさんは少し落ち着いていた。
スチュワーデスは空港に着いたら救急スタッフが待ってるからそれまで我慢してねと言い、戻っていった。
飛行機が雷雨を抜けてパリに着くと、乗客が一斉に棚の荷物を取り出し降りる準備を始めた。
おじいさんはしきりに棚の何かを取ってくれと頼んでいる。
ただ一部始終を見ていた僕はせめて、棚にしまわれていた杖を取りだして彼に渡した。彼は杖をついてゆっくりと飛行機から出て行った。
救急スタッフが彼を囲んで容態を聞いている。彼は黙って前方を見て指を指し、もう大丈夫だ、私は行く、とジェスチャーしていた。
僕は少し振り返りながらもそれを通り過ぎ、空港に消えていった。
傍観者は傍観者のまま。
そうして旅が終わってゆく。
特に大した事をせぬまま、咳をはき続けたまま。
今年は展示と旅行を目標にがんばってきたので、残りの日々はすこしばかりぽっかりと穴があいたようになってしまうかもしれない。
この旅行でなにか次の種は手に入れられたのだろうか?
正直、今回の旅行は良かったんだか悪かったんだかわからない。
何かが0になったという点では良かったんじゃなかろうか。
大した事がなかったようで、いろいろあったかもしれない。
たぶん、じわじわとそのうち実になって来るんだろうな。
とりあえず言える事は、病気のときは旅行はしない。
そして、健康な時にもう一回スペインに行きたい。
追記:
パリへの列車は相当遅れ、来てもなかなか発車しなかった。
どうも北駅で学生がなにか騒ぎをしてるらしく、ダイヤが乱れているようだ。
着いてそうそうパリの印象悪し。スペインは良かったなあ、と思い返しつつ家に帰った。
その後しばらく、パリの生活が妙に落ち着かなく不安定な感じだった。
それくらい、外国の生活というのは地に足の着いてないものなのかもしれない。
ちょっとの旅行でぐらついてしまうくらい。
あるいは、それほどスペインが良かったのか。
なんにしても今はまた、すっかりパリの生活に戻っている。
そして僕をしっかり引き戻したものは、友達に会った事だった。
人とのつながりの中に、自分の居る場所を再確認したのでした。
おしまい
7 nov. 2007
Espagne 07/11

旅人の時間。
何も生まない時間。
何かをかきまぜ、溜める時間。
あちこちから少しずつ分けてもらう時間。
今日は一日海でのんびりしたいのに、あいにくの曇り空。
さすがに太陽がないとちょっと寒い。
さてどうしよう?
寒くなったら動くか食べるかすればいいのだ。
買っておいたものを食べ、宿にあげる絵をちょっと考えながらもいつもの絵を描き、冷えたら砂浜を散歩する。
そうこうしてるうちに昼過ぎにはすっかり晴れてきた。
マラガの砂浜には、いろんな色の石が落ちていた。
砂浜を歩きながらなんとなくきれいな石を拾い集め始めた。マラガまで来て石拾いか、とちょっと思いながらも。ちょうど洗面所に飾る小石を買おうと思ってたのだ。
そんなことをしてるだけで日は暮れていった。
少し時間を持て余したので、どうせだから砂浜の端まで行ってみようと思い、宿に帰る前に埠頭を目指して歩き出す。
埠頭の先には古びたオブジェと、釣りをする人達がいた。
埠頭の向こう側にはもう一つ、同じような砂浜が広がっている。
また同じ道をゆっくり帰った。
宿に戻り、今日は最後の夜だから絵を描かなくてはとキッチンに入ると、夕食準備で少し煙たい。
とたんに咳が出始め、たまらず部屋に戻って寝てしまった。
同室のハワイのおばあちゃんも風邪をひいてしまったらしい。
僕のがうつったんじゃなければいいけど。
咳を我慢するのはものすごく辛かったけれど、そのうち眠りについた。
6 nov. 2007
Espagne 06/11

朗らかで開いてる人の所に、人は吸いよせられる。
昨日は閉館で入れなかったアルカザルに開館一番入ってみる。
すでに人が並んでいたけれど、同じ宿に泊まってる母と娘らしき親子に行列に割り込ませてもらう。
壁に差す午前の光が美しい。きっちり組まれたアラブの装飾もいい。迷路のようで各所に趣向がこらしてあって歩き回るのが楽しい。
あっち行きこっち行き、すれ違うたび母娘に会釈して、午前中いっぱいアルカザルの中を散策した、のんびりと。
散々お世話になったこのバルに別れを告げて13時、セビリアを後にした。
この店で思ったのだけど、楽しそうに働く人を見るのは気持ちがいい。
自分は?気をつけようね。
まだ日のあるマラガへ戻った。
同じ宿に泊まるつもりだけど、宿はちょっと離れてるのでその前に要塞跡に登ってみることにした。
途中、警官に呼び止められてパスポートチェックされてみたり。
真っ赤に染まるマラガの街を見て、丘を下る。
ふらっと寄ったバーで出されたトルティーヤのあまりに出来合いのまずさにびっくりしつつ、セビリアのあのバルの素晴らしさを再認識した。あそこはなんでも安くて美味しかった。
宿に向かう。もう道に迷わない。
見た事のある顔が出迎えてくれ、どこに行ってたの?良かったかい?と聞いてくる。セビリアはとても良かったよ、と答えてチェックインをすませた。
もう平日で人も少ないだろうし、残りの日々はここを中心にのんびりするのだ。
と思ったら、フランス人の修学旅行のような団体が到着。
夕食はここの宿でとるらしく、どうりでスタッフ全員で料理してた訳だ。
リビングもぎゃーぎゃー騒ぐ子供達でゆっくり落ち着く事が出来なかったけど、子供達が部屋に戻り落ち着いた頃キッチンに顔出したら、休んでたスタッフ達が残ったパエリアをごちそうしてくれた。
もう喉は最高に悪かったので、ごほごほやりながら食べた。
すごく美味しかったのに、咳しないようにコーラで流し込むように食べてたので、美味しくなさそうに見えたかもしれない。申し訳ない。
僕がよく絵を描いてたことを知ってるので、記念になにか描いてってよとクーピーと紙を渡される。ちょうどなにかお礼がしたいと思ってた所だ。
でも今日はそうとうに体調が悪く集中できなかったので、明日やるよと言って部屋に引き揚げる。
なんだかいつも間が悪いな、今回の旅。
周りはいつもこんなに優しいのに。
5 nov. 2007
Espagne 05/11

シエスタの街、シーズンオフの海、そういった狭間に居場所を見つける。
言葉が出来ないわりに時々通じるコミュニケーションに少し癒される。
セビリアはものすごく暑い。
月曜の今日はほとんどが閉館。スペイン広場に来てみる。広くて暑い。
たかさんにまた会い、少し話をしてまた別れる。
またあのバルで軽く食事をし、さて今日はどうしようかと地図を見る。
左上に巨大な緑地帯があるので、川沿いに街をぐるっと散歩してみることにした。
途中、現代美術館を覗いてみる。
閉館なのは知っていたけれど、明日また来るかもしれないから下見を。
入り口が見つからず、工場のような敷地内をぐるっと回る。
ちょうどシエスタなのか中心街を離れたからか、人っ子一人見かけない。
くらっとするほどの無人感は逆に心地よかった。まだ昼間だから。
木陰で休憩して絵を描いた後、ふたたび歩き出す。
敷地から抜ける頃、やっと人も美術館も見つけた。
かなり歩いてやっと着いた緑地帯は、「イスラ・マジカ(魔法の島)」という閉館してる遊園地だった。
潰れたのかシーズンオフで一時的な閉館なのか知らないが、
西日を浴びる、色あせた巨大なおじさんの笑いがいっそう寂しさを誘う。
遠くに見えるのがイスラ・マジカ。
結構がっくり来て、対岸で残りの太陽を浴びつつ一休み。
ジグザグに街の路地を見ながらゆっくり帰った。
大した事をしてないので夜は、ちょうどやってる映画祭の映画でも観に、ちょっと街外れの映画館へ。
前に観たいなあと思ってたイスラエル映画の「メデューサ」を観る。
スペインでイスラエルの映画をフランス語字幕で、その更に下にスペイン語字幕で。
不思議な異国感を感じながら、映像のきれいなカメラワークの計算された映画を観る。
そんな、なんてことない夜だった。
4 nov. 2007
Espagne 04/11

また戻ってきますと言って、宿を出る。
11時のバスに乗ってセビリアへ。
セビリアはかなり大きな街だった。
ネットで見たら予約いっぱいだったので、僕は別のユースに部屋を取り、二人で観光へ。
二人だとバルでもカフェでも入りやすくて嬉しい。
威勢の良いバルを見つけ食事する。
近くに出された美味しそうなものを指差し、こっちにもこれくれあれくれ。
二人だとちょっとずついろんなものつまめるからまた、都合がいい。
そういえばバルに入るの、これが初めてなのでした。
旅に出る前、仕事で地方に時々行く友達が「一人旅はレストランに入りづらくて嫌い」と言っていた。
確かに。この旅行中、僕はろくな食事はしていない。
世界で三番目に大きいというカテドラルを見学し、ヒエルダの塔に登り、川岸を散歩。
カテドラルの装飾はとても濃くて、その密度・色使いに血肉を感じて僕は好きだ。なんだか欲望にぎらぎらして。
夜はフラメンコバーにて再び待ち合わせして、フラメンコ鑑賞。
フラメンコはちょっと物足りないくらいで終わってしまった。でも無料のショーだし、また観にこればいいや。
バーカウンターの奥に座っていた女将らしき人は、あまりに女将な恰幅の良さでかっこよかった。
きっと昔は華々しいバンビーナで数々のスペイン男を魅了してきたんだろう、みたいなお話的想像をたやすくさせる、女将っぷりだった。
たかさんは明日帰ってしまうので、バーに少し残って会話を楽しみ、別れる。
一人だったら2日掛けてやってるような事を凝縮してやった一日だった。
たぶん、これが普通の観光なんだろう。
迷路のような、静かな旧市街の町並みを歩いて宿に帰った。
3 nov. 2007
Espagne 03/11


常に鼻水がついて回る。
憎らしい、憎らしい。
海はいい。鼻水も咳も止まらないが、海はいい。
マラガは普通に開発されてて街自体に見所はあまりないけど、海がある。
でも少し歩けば古い町並みはすぐ見つかる。こんな区画ばかりではないけど、結局写真に撮るのはこっちの方だ。
宿の近くに常設市場を見つけて安心する。安い。魚介類が新鮮で美味そうだった。これ以後ここでトマトや果物、オリーブなどをよく買った。
とりあえず、ここでもピカソ美術館は見ておこうと、街見学がてら美術館へ。
途中、現代美術館で奈良美智+graf展がやっていたので覗いてみる。なんだか日本現代美術づいた旅だ。
青森でやっていた展示のマラガ版なのかな?正直、あまり心に引っかからなかった。
その他の現代美術作家の作品を見ているうちに、
現代美術って人間を細かく切り裂いてその一片を拡大して見せてるみたい、
と思う。
その後ピカソ美術館へ。
バルセロナで一区切りをつけてしまったせいもあるのだろうけど、他のピカソ美術館に比べると作品群は見劣りする気がした。とりあえず見て出る。
丘の上の要塞跡に登ろうかと思ったけれど、日も暮れてきて閉館時間が怪しかったので、それはまた別の日にする事にした。
ステイシーにお礼も兼ねて電話しようとしたが、電話番号を書き留めた紙切れをなくした事に気づき、ブルーになる。なんだか恩を仇で返すようなことをしてしまったような気がして、とてもブルーになる。
とてもブルーのまま、宿にとぼとぼ帰った。
宿に戻ってキッチンルームでゆっくりしつつ絵を描く。
このユースはキッチンもリビングも広々として居心地がいい。
ここで働くノイラおばさんとなんとなく仲良しになる。
スペイン語留学仲間と週末旅行に来てるグループと少し話したり、同室になった日本人のたかさんとワイン飲んだり。ユースだなあ、と周りに巻かれるのを楽しみつつ夜を過ごす。
でも、ほんとに喉がひどい状態になってて、話そうとするたび食べようとするたび人が近づくたび咳が出て、ただでさえ閉じ気味なのにいっそう人を避けてしまうようになっている。
それでも、行こうかと思ってたグラナダは寒いらしいので、セビリアに行くたかさんに便乗して一緒に行くことにした。
2 nov. 2007
Espagne 02/11

強い陰影は外形をクリアにする。
弱い光の下にこそ、繊細な内面がにじみ出てくる。
朝8時からマラガに向けて出発。
なんだか分からないままバスで1時間タラゴナまで行き、そこから列車。どうも工事か何かの関係でバルセロナまで列車が通ってなかったみたい。
とにもかくにも、世界の車窓から生体験。
スペインは太陽の強い国だ。でも冬のそれはどこか柔らかく、まだ午前中なのにずっと西日を浴びてるよう。
延々続く緑を見ていたら、もしこの草木が突然人間に襲いかかってきたらどうしよう、などとどうでもよい空想をつとつとと。
それでもやっぱり襲いかかるものはすべて焼き払うのかしら?そのあと自然が全く無くなるのを分かっていても。
死にそうになったら反抗するよなあ。それが命の正常な反応だ。
途中記憶の途切れつつの13時間の列車の旅。
のんびりから一転、とっぷり暮れたマラガにつくやいなや道に迷う。言葉通じない。
たまたま駅の方向や宿の場所を聞いたおばちゃんから、通りがかった英語の喋れる女の人(ステイシー)へバトンタッチしながら、彼女達は一緒に方々に場所を聞いて探しまわってくれる。しかもあげくの果てには家に寄って簡単な食事をごちそうしてもらい、結局ネットで住所を調べ、彼氏の車で送ってもらう。
ありがたすぎて恐縮してしまい言葉にならず。
パリのつもりで住所さえ分かればなんとかなる、と気軽に来たけど甘かった。
とりあえずマラガの宿に着いた。人に救われた。
彼女達は明日何もする事がなかったら電話しなさいと、電話番号を渡して帰っていった。
ステイシーは川端康成の「富士の初雪」を読んでいた。
ステイシーにしてもその前の親切なおばちゃんにしても、いいと言ってるのに「いや、私が探すから大丈夫」と言いきる、その強引なまでの親切心に僕は、少なからずショックを受けた。
僕はどちらかというと他人にも自分にも出しゃばらない性格なので、彼女達の周りを巻き込む強引さが、なんだかとても眩しかった。
ステイシーは僕より年下だというのにね。
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