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2 nov. 2007

Espagne 02/11


強い陰影は外形をクリアにする。
弱い光の下にこそ、繊細な内面がにじみ出てくる。


朝8時からマラガに向けて出発。
なんだか分からないままバスで1時間タラゴナまで行き、そこから列車。どうも工事か何かの関係でバルセロナまで列車が通ってなかったみたい。

とにもかくにも、世界の車窓から生体験。
スペインは太陽の強い国だ。でも冬のそれはどこか柔らかく、まだ午前中なのにずっと西日を浴びてるよう。


延々続く緑を見ていたら、もしこの草木が突然人間に襲いかかってきたらどうしよう、などとどうでもよい空想をつとつとと。
それでもやっぱり襲いかかるものはすべて焼き払うのかしら?そのあと自然が全く無くなるのを分かっていても。
死にそうになったら反抗するよなあ。それが命の正常な反応だ。






途中記憶の途切れつつの13時間の列車の旅。
のんびりから一転、とっぷり暮れたマラガにつくやいなや道に迷う。言葉通じない。
たまたま駅の方向や宿の場所を聞いたおばちゃんから、通りがかった英語の喋れる女の人(ステイシー)へバトンタッチしながら、彼女達は一緒に方々に場所を聞いて探しまわってくれる。しかもあげくの果てには家に寄って簡単な食事をごちそうしてもらい、結局ネットで住所を調べ、彼氏の車で送ってもらう。

ありがたすぎて恐縮してしまい言葉にならず。

パリのつもりで住所さえ分かればなんとかなる、と気軽に来たけど甘かった。
とりあえずマラガの宿に着いた。人に救われた。
彼女達は明日何もする事がなかったら電話しなさいと、電話番号を渡して帰っていった。
ステイシーは川端康成の「富士の初雪」を読んでいた。


ステイシーにしてもその前の親切なおばちゃんにしても、いいと言ってるのに「いや、私が探すから大丈夫」と言いきる、その強引なまでの親切心に僕は、少なからずショックを受けた。
僕はどちらかというと他人にも自分にも出しゃばらない性格なので、彼女達の周りを巻き込む強引さが、なんだかとても眩しかった。
ステイシーは僕より年下だというのにね。